とてもとてもご無沙汰であります。
なんとか元気でやってます。
普段ほとんど使わないメール・アドレスの受信トレイを開いたのはどうしてだったのだろう。
そこにシャイコナのHさんからのメールが届いていた。
6/22の日付、今日は7/6。
なんと、こんなオイラにライブのレビューを書いてくれとのメールだった。
二週間遅れで返信、二、三日考えてもいいかと。
どこから、何を書けばいいか、全く何一つまとまってはいないが、今の勢いに任せて行けるとこまでいってみようかとPCを開いたとこだ。
正直、ライブのレビューは書きようがない。
ただただ、今回も懐かしかったし、楽しかった。
何年か前の新宿ロフトの、ラフィン・ノーズとのライブもオイラは見ている。
アンコールの「Get The Glory」でチャーミーとケラがステージに並んでいた。
何年ぶりに聞いたのか思い出せないが、「愛のまるやけ」は「そうだね」と改めて思った。
心の中で何度も「そうだね」と呟いた。
ライブがいいとか、ライブが上手いとか、ブツクサ抜かす輩はいつの時代にもいるんだろうが、
要は体のどっかに刺さるかどうかだと歳を重ねるにつれ思う。
いや、この「思う」というのも案外と曲者で、これをうまく伝える術をボクは未だに持たない。
“ I wish, you are here. “って祈ったのは、ピンク・フロイドだったっけ。
リアルで対面にあなたがいるだけで、何も語らずともその息遣いを感じれるだけで、どれだけ救われることか。
そいうことを、新型コロナくんは改めて教えてくれた。
ライブはいいなっていうことを、単純に改めて痛感させてくれている。
「インヒアレント・ヴァイス」という大好きな映画があって、ホアキン・フェニックスが出てる探偵映画なんだけど、70年代かな、とにかく電話で話してる、それが意味もなく好きなとこ。
「もしもし」っていう手話はないらしい。
この歳になると(ケラとは同じ年で同学年)、何人かの身内や友が鬼籍つーんだっけ、あっちに逝っちまって、
世の中、世界中じゃあ、雨降って死んじゃうし、酔っ払って轢き殺しちゃうし、新型コロナで世界中で400万人が亡くなったらしい。
生まれてきていつか死ぬ、オイラももうそろそろか、いや人生100年だっていうオッチャンもいるし、そりゃ知ったこっちゃねえけど、歳を重ねる、その現実からは誰しも逃れられない。
時々、懐かしい人に会うことがある。
佐藤ジンさんという、カメラマンの大先輩がいる。
ドラマーもいる。
ジンさんが昔出版した「GIG」という写真集があって、(勝手に宝島が出版社だと思い込んでいたけど、ミュージック・ヴィジョンだった)
一年前にSLOGAN社から復刻されて、それを購入した。
その話をすると、うちの事務所にいる20年以上の付き合いになるドラマーのQがなんとオリジナルを持っていて、事務所に持ってきてくれた。
オリジナルの最後の頁の写真は中野公会堂のハナタラシの檻だが、
その前のページにケラがいた。
その写真を撮ったことをボクは覚えている。
いつ、どこで、なんのために(取材?)かまでは思い出せないけど、
ケラをジンさんが撮ったことを、ボクははっきりと覚えている。
80年代、ボクがまだ20代。
勢いでやりたい放題やんちゃして突っ走って、勝手に躓いて転んで、立ち上がってはまた躓いて転んで、そんな無防備な若造だった。
いろんな人に迷惑かけて、それでもなんだか許されて、有難さ無限大。
「難なき無難な人生、難ある人生は有り難い 」って誰だっけ?
だから、今もこうしてやってられる。
この時代に出会った人たちによって、今のボクは作られている。
なんかできる恩返し、できるうちにしとかなきゃなぁ。
家庭菜園というのも烏滸がましいですが、ステイホーム期間中にプランターで野菜作りにハマってます。
つい先日、「ピルカ」というじゃがいもが殊の外うまく収穫できて、美味しくいただきました。
肉じゃが、白ダシで、美味い!
詰まるとこ、何言いたいかっていうと、なんだかんだあって、一度は解散もして、そりゃ若い頃は、いろいろ、お互い、ツッパることが男の勲章なわけで、一言ではいえないくらい入り組んだ葛藤に押し潰されそうな苦しい時間も過ごしたこともあっただろうし、それでも歳を重ねて、時間がいろんなものを洗い流して、許してくれて、
まあそんな単純じゃないかも、でももっとシンプルかも、許す赦さない、そうじゃない。
みんなまあまあ元気でやれてりゃ、もういっちょやったるかってできることもあるわけで、そういうのがやれるってことがすごく羨ましく思えるようになって、単純にいいなあって、
だからライブを見るのもそうで、見れるなら見ときたいものはまだまだある。
未練の塊でも如何にもこうにも、やれるうちにやれることはやっておくか。
また、見にいくよ。
今度はもう少しゆっくりマスクなしで語り合えたらいいね!
久しぶりの原稿、とっ散らかってスマヌ!
さて、フィッシュマンズの映画見に行くか。
2021.7.12
能野哲彦
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